愛を教えてくれたのは若頭
晃さんの着替えも出さなきゃ、と
隣のクローゼットを開ける
シャツと…出掛けないならラフでいいかな?とカジュアルなパンツを出す
『晃さん、』
服を持ち振り返れば
さっきより遥かに近い位置にいる
えっ、と思ったが
更に一歩前に出れば
私の真ん前にいる
『ち、近いよ?』
せっかく収まった身体の熱が
あっという間に身体中に広まる
一歩後退すれば
晃さんはまた一歩前に出る
『な、なにっ?』
これ以上、近づいて欲しくない
いや、触れてほしいが
触れて欲しくないという矛盾な気持ち
晃さんの服をギュッと抱きしめる
「後はないか?」
晃さんの言葉に
焦っていた私はクールダウンし
あと?
後とはなんだ?と首をかしげてしまう
「茜の不安だ」
不安?
どういうことだろうと考える