愛を教えてくれたのは若頭



不安なんてあっただろうか?
ここの生活には不満はない
元々友達なんないない私には
誘ってくれる人なんていない

希江さんと風間さんがいてくれたら
不自由なく外出できる
んー…?と考えていると
晃さんの腕が私の後頭部にまわり
私を自分の胸へと押し付けた


『あ、あ、晃さんっ!』


今までなんども
こうやって、晃さんの胸に収まった
けどそれは必ず布があっての事
素肌をダイレクトに感じる事なんて
今までなく、なぜ今日はこんなにも
晃さんを意識してしまうのか、わからない
そんな私に御構い無しのようだ


「住むところも、金も…茜が不自由なく暮らせる。作法や着付けもきっちりこなし、どこに出しても恥ずかしくねぇ。裕也やお袋さんのことも、あいつの事も片付いた。…あとは?なんか不安なことねぇか?」

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