愛を教えてくれたのは若頭
知らないかもしれないなんて撤回だ
晃さんの眉がピグって動いた事を
私は見逃さなかった
晃さんはよっちゃんを知っている
けれど全く話そうとしない
少し私を離し
沈黙の中
ただ私の髪、頬に触れてくる
もしかしたら、もうこの世にいない?とかと思うと
何も言われていないのに顔が強張る
そんな私を見て
晃さんは一つため息をつき
あとは?と再度聞いてきた
よっちゃんの事を気に掛けたついで…では無いが、母もどうなったのか気になった
どんなにひどい母親でも、私の母だ
湯川と再婚するまでは
私にとってかけがえの無い
優しい母だったのは確かだ
晃さんはベットへと私を座らせ
私と向き合うように床へ座った
私の方をしっかり向いて…
「茜の不安を取り除く…」
そう呟いてから
晃さんは話し出した