愛を教えてくれたのは若頭


でも、キヨさんとの生活
希江さんや組長さんの温かさ
それを日に日に感じていた

そして湯川に出会っていなかったら
母と私の関係は
ここまで壊れることもなかったのだろう
だから、母が今何をしているのか気になる



「茜に会わせるつもりは無い」


その言葉で母は生きていて
遠く無い場所にいる事は理解できた
だからと言って、母に会いたいわけでは無いから、いいんだ


母はあの後、精神科がある隔離病院へと連れて行かれたという
そこで療養し、今は自立している
最近になってやっと働けるようになった
精神的にも落ち着いているという


「茜が会いたくなったら、会いに行こう」


会わせるつもりは無い、というのは
母が私に会いたいと言った場合だ
晃さんは私の事を考えてくれている証拠だ

< 297 / 331 >

この作品をシェア

pagetop