愛を教えてくれたのは若頭


よっちゃんのことも
母のことも聞けた
後は何も無い


…そう思っていたが
一番聞きたいことがある
けど、私はそれを
ずっと口にしていなかった

だって、違うなんて言われたら
ショックだし落ち込むし…
そう思ったら聞くに聞けない
だから、待つしか無いって思っていた



「後は無い?……例えば、これからのこと、とか?」


そう言いながら
晃さんは立ち上がり
ベットサイドの引き出しから
何かを取り出した
それが何かわからず
晃さんの手を見てしまう


私の横に座った晃さんが
私の頬を両手で掴む
見るな、と笑いながら言われる
見るなと言われれば見たくなるが
晃さんが邪魔で見れない


「これからのこと、決めようか」


その言葉にゴクリと唾を飲む
期待もあれば恐怖もある

< 298 / 331 >

この作品をシェア

pagetop