愛を教えてくれたのは若頭
湯川茜、17歳
これが私
高校生だけど
必要な時しか学校には行かない
私立の高校だから
金さえ積めば、どうにでもなる
私の親は
「高校だけは卒業させる」
口を酸っぱくして言っていた
別に行きたくて行っているわけじゃない
家だって、ある
住宅街にある一軒家
白いフェンス
バラのトンネルを潜れば
母親自慢のガーデニング
父親は一流商社マンの部長
弟は超頭がいい中学校の特待クラス
将来がすごく期待されている
その下にも年が離れている弟がいるが
幼稚園なのに、お受験とか言い出す
あんな家にいると息がつまる
私の顔を見ると
あからさまに嫌な顔をする母親
あんたの実の娘だよ、と何度も思った
母親の影響のせいか、
中学生の弟は私の事を嫌っている
下の弟は、会えば無邪気に笑ってくれるが、多分もう少し成長したら
母の影響で私を嫌うだろう