愛を教えてくれたのは若頭


時計を見れば
短い針が11を指していた
えっ!と声をあげると
晃さんも時間に気がついたみたいだが
ベットから出る気配はない


『何か作ろう』


そう言うがベットから出れない
晃さんに抱きしめられているからだ
あきらさん?と発するが
全く応じてくれず
抱きしめられている
晃さんの手が腰と背中を行ったり来たり


ゾワゾワとくるが
やめて欲しいとも思わない
けど、身体は正直に反応をしてしまう
抵抗しない私に
晃さんは首や鎖骨へと吸い付いてくる

まさか、と思い
晃さんを呼ぶ
返事はするけど顔を向けてくれない


『ま、待ってっ。私、結構キツイよ?』


悲鳴まではいかないが
腰の重さを感じればわかる
それに、寝不足だ
最後の記憶は…
たしかスズメが鳴いていた

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