愛を教えてくれたのは若頭


目が覚めたのは機械音
アラーム音?と思いながら目を開けた
小さく短い話し声が身近に聞こえた


ぼーっとしながら声の主に目をやれば
私が起きた事に気がつき
頭にキスを落とす


「ああ、わかった」


それを最後にスマホを置いた晃さん
大丈夫か?と心配そうに覗き込む
大丈夫じゃないよ、と思いながら
だるい身体を起こした



『…お腹すいた』


一体今は何時だろうか
時計がある壁に目をやれば
短い針が5を指していた
窓から見える空はすっかり暗い
いつ眠ったのかもわからない


「お袋が飯、食いに来いってよ」


身体が怠い
だからと言って
このままベットにいたら
また襲われるかもしれない
……いや、襲われる


『うん、シャワー浴びてくる』


ベットから出た私
もちろん、何も身につけていない
辺りを見渡しても何もない
何かを着るのも面倒で
そのまま行こうとした

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