愛を教えてくれたのは若頭
「あ、いや、違う…」
晃さんが口を挟むがもう遅い
希江さんと組長さんは
娘かぁ、と嬉しそうに話を進めていた
「なら茜は本家に住ませましょう」
「そうだな、娘を守るのが親の役目だ」
「茜もお披露目もしなきゃだめね。そうなったら、縁談の話もくるわね」
二人の会話に
いい加減にしろっ、と
晃さんが切れた
あわわ、どうしようと
ハラハラする私に
クスクスと笑う希江さん
「晃が悪いのよ。で?結婚式はもちろんするのよね?白無垢もいいけど、ドレスも良いわよね」
良かった、と胸をなでおろすが
ここから晃さんと希江さんのバトルが始まってしまった
その間に私は食器を片付けたり
お茶を入れたりとしていた
もちろん組長さんも苦笑いをしながら
会話には参加せず
ただ、話を聞いていた