愛を教えてくれたのは若頭


急いで迎えに来させ
久家が娘を下ろしたという場所にきた
タワーマンション
セキュリティもしっかりしているが
コンシェルジュがいる訳では無い

中に入るのも難しい、と思いながら
スマホを取り出し、ある人に連絡を入れた



「困った事が起きたの」



そう告げ、今の状況を話た
電話の主は、待っていろと電話を切った
運転手の久家はオロオロしているだけ

さっきまでの幸せな気分を返せと言いたくなる
風間には後で連絡すると伝えてあるが
晃をどうするか、悩むところだ


5分もしないうちに
警備会社の人達が来て
その数分後に電話の主もやってきた


「大丈夫だよ、希江」


そう言って私の肩を抱き寄せるのは
私が最も信頼し愛している相手


「ごめんなさい、弘信さん」


堂城弘信、私の夫であり晃の父親
堂城組の組長だ

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