愛を教えてくれたのは若頭
着替えはボストンバックに入れ
駅前のコインロッカーに入れてある
時間が空いたとに
コインランドリーへ行く
時間がないときは
24時間営業のドンキに行く
だから家に帰る必要はない
帰ったって、私の居場所はないんだ
制服のスカートに入れてるスマホ
大好きなパンクバンドの曲が鳴り響く
画面を見れば、知らない番号
援助交際をする上で
私は逆に連絡先を教えない
これは絶対守る
だから、客ではない
なら、誰だ?
『もしもし』
「俺だ」
あー…、どうして知っているんだろう
母親から聞いたのだろうか
嫌な記憶が頭をよぎった
「元気にしているのか?」
何事もなかったかのように
父親ズラして話しかけてくる
『二度とかけてくるな』
そう言って切った
二度と聞きたくない声
だから着信拒否をする