愛を教えてくれたのは若頭


『矢沢さんの忠告、聞き飽きた』


そう言って立ち上がり
その場を後にした


矢沢さんは警察官だけど
…私の客だ
初めはあんな風に補導しようと
私に話しかけてきた
何度も注意されるうちに
親近感じゃないけど
矢沢さんにとって年の離れた妹みたいな感覚にでもなったんじゃないかな
矢沢さんは若い、まだ20代だろう


矢沢さんが非番の日に
びしょ濡れの私に声をかけてきた事がキッカケだ
あの日、私は嫌な事があった
だから雨宿りもせず傘もささずにいた


矢沢さんは私を交番ではなく
自分のアパートへ連れて帰った
いつもより人肌恋しく
誰でもいいから抱かれたかった私は
矢沢さんに抱きついた


その日だけは
お金を貰わず、抱かれた
その時だけの感情だったから
次があったらキッチリ金を貰うと告げたら、わかったと言って
矢沢さんは私の客になった


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