愛を教えてくれたのは若頭
優しさ
今日で最後だ
そう意気込んで行ったら
何やらお店が慌ただしい
『おはようごさいま、す』
ボーイさんとぶつかりそうになりながら
なんとか更衣室へ入る
「茜ちゃんっ」
すでに出来上がっている桜花さんと
知らない男のひと
「君が、茜か…」
誰だろう?と見入ってしまう
ここにいるって事は
店の関係者だろう…あ、
もしかしてオーナーさん?
私を見ながら考えている
隣では桜花さんが心配そうに
男性を見ている
なんだ?と思いながら言葉を待つ
「よし、任せよう」
そう言って私の肩に手を置く
「堂城様は君だけを指名した。堂城様は大切なお客様だ…とても大切な。粗相がないように堂城様を接客してください」
こんな個人的に言われると言うのは
やはり堂城さんという人は
普通のお客さんではない
でも、今日で終わりだからと
軽い気持ちもあるのは確かだ