愛を教えてくれたのは若頭
堂城さんと共に店の外に出ると
チラチラと見られ、ヒソヒソと
何やらギャラリーが話している
なんなの?と思いながら歩いていると
腹減ってないか?と聞かれ
『ぺこぺこ』と答えると
フッと笑ってくれた
あ、この人
笑うと…可愛い
年上に失礼かと思ったが
勝手に思うならいいだろう
堂城さんが連れて行ってくれたのは
地下にあるカジュアルバー
もういい時間なのもあり
お客さんは少ない
マスター1人だろうか
カウンターに2組、テーブル席に1組だ
堂城さんに着いて行くと
そこは死角なる2人掛けのテーブル席
席に座ると、カウンターに立っていた
マスターらしき人が来た
「久々に顔見せたと思ったら女連れ?珍しいね。何飲む?」
堂城さんの知り合いだろうか
俺はいつもの、と堂城さんは告げ
視線は私へと移動してきた