愛を教えてくれたのは若頭
おいしー、と連発し
大満足でお店を出た
お店を出れば
また黒塗りの車が停まっていて
当たり前のように堂城さんは乗り込む
運転手付きの堂城さん
何をしている人なんだろう、
不思議だな、と思いながらも
聞いたりはしない
車に揺られて数十分
マンションの前に停められた
降りるとスタスタと中へ入っていく
そんな堂城さんの後を追いかける
エレベーターに乗り込む
何も話さない堂城さん
多分、ここは堂城さんのマンション
今日はここが宿だ
そう思ったら
早く部屋を見てみたいとワクワクしてきた
『ひろーい』
部屋に入りと
玄関のたたきから広く
廊下の先のリビングも広い
『本当に一人で住んでるの?』
窓から見える、小さなタワー
まさか部屋から見えるなんて…
「一人じゃなかったら、連れてこないだろう…っていうか、煩い」
堂城さんは面倒くさそうに上着を脱ぎ
ネクタイを緩めていた