愛を教えてくれたのは若頭


今日はもう釣れない、
そう思い、寝床をどうしようか…

あー、やっぱり
さっきのホテルに泊まれば良かっと後悔
駅前に戻ると、雨がパラパラと
降り出してしまった


夜の雨は、なんだか悲しい
けど、好きだ
一方、前に出ると
ぽたぽたてま顔に水滴が当たる


頬を伝い流れていく
これが、私の涙
自分の身体から流れることがない
嘘の涙で十分だ


駅に行って、ボストンバックを取りに行こう
制服も髪もベッチャリだ
これだと、満喫にも入れない
はぁー、とため息をつきながら
ある人へ電話を入れた


『わたし、茜。行ってもいい?』



いいよ、
それだけの会話で終わり
スマホをスカートのポケットに入れ
ボストンバックを脇に抱え
私は駅の中へ歩き出した

電車で2駅移動して
10分歩いた所が目的地だ

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