愛を教えてくれたのは若頭
身体がふわふわする
どれだけ飲んだのだろうか
それすら覚えていない
なのに、私の隣には
変わらない顔つきで
未だにアルコールを流し込む男がいた
『くそー、堂城さんに勝てないな』
降参です、と
堂城さんの肩へ凭れかかる
あ、この位置楽チンだ
「飲みすぎだろ、」
『うへへ、ごめんなさい』
「眠たいか?」
うん、眠たい…
自然に瞼がおちてしまうが
まだ、私にはやることがあった
『堂城さん、いいですよ』
堂城さんを見上げた
チラッと横目で見られたが
堂城さんは動こうとしない
おかしいな、と思いながら
堂城さんの腕に力絡みつく
「お前、自分を安くしすぎだ」
思ってもみない言葉に驚いた
今まで誰にも
そんなこと言われたことがない