愛を教えてくれたのは若頭


電話の相手は父だ
父と言っても本当の父ではなく
母の再婚相手、義理の父だ

私は義理の父が嫌い
再婚をしてから母も嫌いになった



どんなに逃げても
探し出す義理の父

17歳という未成年は
私にとって見えない鎖だ



『あ、堂城さん、今日の夜はご飯食べますか?私、一応料理はできますよ。まぁ最近は作ってないので、もしかしたら失敗しちゃうかも』


涙は止まったが
堂城さんの腕が離れてくれない
だから無理に離れることはしない


「茜の料理か、食えるのか?」


私が料理するって言うと驚いて
私の身体を少し離した

疑いの目をしている
出来ますよ、と言い返す


「なら楽しみにしている」


私の頭をぐしゃぐしゃとかき回し
スーツの上着を脱ぎながら
クローゼットがある寝室へ行ってしまった

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