愛を教えてくれたのは若頭
「この部屋を好きに使っていい。必要なものがあれば金はやる。俺の女になれ」
……は?
突拍子もない言葉に
ぽか〜んとしてしまう
なんだ、今のは?
もしかして愛の告白だった?
『…あー、私、愛人契約とか無理です』
相手の都合に振り回されるのはごめんだ
やっぱり都合のいい話には裏がある
いい人だと思ったねになー、と
勝手に解釈をしていたら
いつもの、馬鹿かと言われた
「俺はまだ独身だ。30歳だ。愛人なんていらねえ、俺の女…のフリをしてくれたらいい」
30…歳なんだ
初めて知った年齢に食いつく
13歳も年上だったか。
もっと若く見えたのに…
「聞いてるのかっ?」
えっ?
堂城さんを見れば
眉間にしわを寄せている
『あ、聞いてますよ!愛人契約の話ですよね?』
「馬鹿かっ!人の話を聞けっ!」
呆れた顔をしため息をついている堂城さん