愛を教えてくれたのは若頭
30歳で独身
しかもイケメンに
多分、お金持ちだ
だからか、誰も放っておかない
女が寄ってこないわけない
『あるんだね、「うちの娘を嫁に」っていう話!笑っちゃうっ』
自分はその気が無くても
周りが黙っていないわけだ
『彼女のフリは、いいけど…堂城さんは結婚する気ないの?』
「好きでもねえ奴と一生なんて無理な話だ。結婚すれば次は子供だろ?セックスすればいい話、けど、子供を作るためだけヤるのは御免だ」
ほー、意外と考えているんだ
なら話は簡単だ
『なら好きな人と結婚すればいいんじゃない?いないの?彼女は?』
言葉に出して気がついた
いたら、私に言ってこないだろう
訂正しようと口を開いた
「……いた、前は」
開いた口を閉じた
たった17年しか生きていないけど
それなりに人を見てきたつもり
この人には忘れられない人がいる
感だけど、そう思った