愛を教えてくれたのは若頭


具体的には、必要な時に
堂城さんと一緒に出かける
もちろん恋人として振る舞うわけだ


『わかった!…あ、エッチはする?』


恋人のフリだから
必要であればするのだろうかと
素朴な質問だった
あからさまに大きなため息をつく堂城さん


「あのな、普通「今からやります」って宣言する野郎がどこにいるんだよ…ったく。悪いが抱かない、俺は好きな女しか抱かない。まぁ、どうしてもって言うなら、抱いてやってもいいぞ」


途中まで素敵な事を言ったかと思えば
やはり所詮、雄だ
こういう男を何人も見てきた


『はい、はい。わかりました』


私の中で堂城さんのカブが上がったり下がったりで、なかなかうまく掴めない
今までにないタイプだから
調子が狂っちゃう


けど、楽しみであるのは確かだ
私は再度、堂城さんに手を差し伸べ
仲良くやりましょう、と言う


「ああ、よろしく」
そう言って、私の手を握ってくれた

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