愛を教えてくれたのは若頭


「…なんだそれ、」


少しの間を置いて
ようやく口を開いた半笑いの晃さん
そうですよね、と私も笑ってしまう


『私、一人で寝るのが嫌なんですよね、別にヤりたいとかではないんです。あ、けど晃さんがヤりたいなら、やってもいいですけど』



言ってやった、とニヤッと笑えば
ポカンとしていた晃さん
すぐにニヤリと口元が上がる


「ガキが何言ってんだか」



13歳離れているから
晃さんからみたら全然子供だ
こんな私が晃さんの彼女のフリなんか
出来るなんてわからない

けど、こういうやり取りいいな…
家族ではない、恋人でもない
友達でもない関係
よくわからないけど、楽しそう


「悪いが枕は一つしかねえよ?」


『え?腕枕って言ったじゃないですか!』


「腕が疲れるときもあるだろ、必要なもん買いに行くぞ」


そう言って立ち上がった晃さんの口元は上がったまま
それを見たら私も笑ってしまう

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