愛を教えてくれたのは若頭
ドレスは風間さんが選んでくれた
晃さんの好みだといい
アクセサリーも、靴も
ヘアセットも全てが済み
鏡に映る自分が何倍も大人っぽい
『自分じゃない、みたい』
大きな鏡の前でクルクルと回りながら
大変身した自分を見入ってしまう
「見違えるな…これなら晃と並んでも、おっさん感が少しは薄れるな」
風間さんも驚いているようだ
それがなかなか嬉しい
車を待たせてある、と外へ出ると
乗ってきた白い車では無く
黒いセダンだった
後部座席のドアを開けてくれ
車に乗り込んだ
『あ、晃さん』
既に晃さんが車に乗っていた
いつものスーツとは違い
光沢感溢れるスーツで
いつもの倍、かっこよく見える
『素敵っ!イケメンがさらにイケメンだ』
思ったままを口にすれば
晃さんは苦笑いしてくる