愛を教えてくれたのは若頭



晃さん、と私は話し出した


『今日の私は女優気分です、素敵なドレスに買えないようなアクセサリー、大人なヒール。こんなに綺麗にしてもらって、晃さんの彼女が務まるか正直不安です。だから女優になります!』


拳を握りしめ気合いを入れる
クスッと助手席の風間さんが笑う

あれ?変なこと言ったかな?
不安になり、晃さんを見ると
晃さんも笑っていた


やっちゃったかな?
けど、晃さんは私の頭を優しく触れた


「お前は俺が選んだ女だ。自信持って堂々としてろ」


うん、と笑顔で返事をした
私は晃さんの彼女
私は晃さんの彼女…
心の中で言い続ける


車が停車して、ドアが開けられた
行きますか、と車から出た

私の視界には
晃さんみたいなスーツ姿の人もいれば
私のようにドレスの人もいる
そして、パーティーに相応しいのか
和服姿の方もチラホラいる

…なによりも驚いたのは
どこからどう見ても…あっち系だ

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