愛を教えてくれたのは若頭


次から次へと
色々な人が晃さんに挨拶をする
その度に「そちらのお嬢さんは?」と
厳しい目を向けられてしまった

女性には睨まれるのは当たり前
舌打ちをされたり、
すれ違いざまに足を踏まれたり…


晃さん狙いって事か…
モテるのも一苦労だな
しかも、性格悪女なら尚更だ
邪気にも出来ないから
私という偽彼女をつくった訳だ


納得だ



「疲れてねぇか?」


『うん、大丈夫。あー、けどトイレは行きたいかな』


一通りの挨拶や
襲名披露の主役にも挨拶が終わり
ソファに座り、ウーロン茶を飲んでいた


私たちはトイレへと向かう…が
さすがにトイレの前で待ってもらう訳にはいかない


『行ってくるから、煙草でも吸ってて』


ロビーの一角に喫煙室がある
あそこからならトイレの入り口も見える
大丈夫だと伝え、晃さんと別れた

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