青に溺れる
私がアパートの一階に降りると、七海ちゃんがほうきで掃除をしていた。
毎朝学校に行く前に、アパートの前の掃除をするのが日課らしい。

「透子ちゃん!おはよう」

彼女は元気に挨拶をする。
七海ちゃんの笑顔は、まるで暗闇を照らす太陽のようだといつも思う。

「おはよう」

私は微笑み返す。
いつものように笑えているか不安になりながら、彼女に答えた。

「こんな朝早くからお出かけ?珍しいね」

「……あ…うん、ちょっとね…」

「行ってらっしゃい!」

いつも明るい彼女と話していると、決心が揺らぐように感じた。

希望に満ち溢れている彼女とは裏腹の私。
私も彼女ように笑えたら良かったのに。

「…行ってきます」

私は彼女に背を向けて歩き出す。

目指すは海。
私の目的地。

大好きな青色に染まった世界。
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