明日へ馳せる思い出のカケラ
第1話 たそがれのグラウンド
俺は今、東京マラソンを走っている。
ゴールまではあと2キロといったところだ。
疲労は極限にまで達し、体の至る所から唸りが上がる。
それでも完走は間違いないだろう。
ゴールが近いことに俺の気持ちは意味もなく高鳴ってゆく。
ただタイムを刻む腕時計を見ると、すでに4時間を回っていた。
自分に課したゴール目標は3時間30分を切ることだった。
けどそれはやっぱり無理だったらしい。
いくら中学から大学まで陸上を続けていたからといって、初めてのフルマラソンで掲げる目標にしては、欲張り過ぎも甚だしかったんだろう。
改めて自分のバカさ加減に苦笑いが込み上げてくる。
まさかこんなところでも現在の自分に過去を重ねてしまうなんて、みじめで不甲斐ないモンだね。
社会に出てからのこの三年間、まったく運動なんてしていなかった。
それなのに、過去の栄光だけを拠り所にしながら始めた気まぐれなマラソン。
息苦しい胸は今にも張り裂けそうだし、痛みを伴った重い足は言う事を聞かない。
途中で何度も走ることを止めようと思った。
なんで自分はこんな事をしているんだと、苦しくなればなるほど悔やんだ。
でも、それでも俺は走り続けて来たんだ。
新しい自分の未来を手にする為にね。
ゴールまではあと2キロといったところだ。
疲労は極限にまで達し、体の至る所から唸りが上がる。
それでも完走は間違いないだろう。
ゴールが近いことに俺の気持ちは意味もなく高鳴ってゆく。
ただタイムを刻む腕時計を見ると、すでに4時間を回っていた。
自分に課したゴール目標は3時間30分を切ることだった。
けどそれはやっぱり無理だったらしい。
いくら中学から大学まで陸上を続けていたからといって、初めてのフルマラソンで掲げる目標にしては、欲張り過ぎも甚だしかったんだろう。
改めて自分のバカさ加減に苦笑いが込み上げてくる。
まさかこんなところでも現在の自分に過去を重ねてしまうなんて、みじめで不甲斐ないモンだね。
社会に出てからのこの三年間、まったく運動なんてしていなかった。
それなのに、過去の栄光だけを拠り所にしながら始めた気まぐれなマラソン。
息苦しい胸は今にも張り裂けそうだし、痛みを伴った重い足は言う事を聞かない。
途中で何度も走ることを止めようと思った。
なんで自分はこんな事をしているんだと、苦しくなればなるほど悔やんだ。
でも、それでも俺は走り続けて来たんだ。
新しい自分の未来を手にする為にね。
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