明日へ馳せる思い出のカケラ
俺にはそれが不思議でならなかった。
自分で言うのもおかしいけど、ルックスや身長は人並みよりは少し良いはず。
でもさ、逆に言えば俺にはそれだけしかないんだよね。いや、それどころか性格なんかは最悪だったはずなんだ。
俺の本質は芯からの根暗であって、協調性なんて微塵にも持ち合わせていない、ちっぽけな男なんだからね。それなのに君は俺の事を心から想い、慕ってくれていた。
才能が無いのに黙々と練習する俺の姿に共感したから。
彼女の命を懸命に救った姿勢に胸を打たれたから。
グラウンドの休憩所でお互いの心を曝け出したから。
かつての俺は、それらの理由で君が好意を寄せてくれているんだと思っていた。いや、そう信じて疑わなかったんだ。
だけど本当にそれだけが君の胸の内に秘めた俺への想いだったのだろうか?
当時から俺は時折そんな事を考えていたんだよ。
君に直接聞けば良かったのかも知れないね。でも俺にはそれが聞けなかったんだ。
成り行き任せの冗談としてではなく、本気で向き合って君の心意を受け入れる事が出来なかったんだよ。
その理由は至って簡単なんだよね。
君の本当の気持ちを知ってしまうのが怖かったから。もしそれを知ってしまったなら、いつの日か俺は君を裏切ってしまうのではないかって思えてしまったから。
きっと当時の俺はまだ子供だったんだろう。だから君の気持ちを自分が思っている以上に重く受け止めてしまったんだろう。
言い換えるとするならば、君の想いをどこか面倒だと感じていたんだよね。
結局のところ、自分が一番なだけだったんだよ、俺は。
だけど君が俺を想う気持ちは、そんな難しいものじゃなかったんだよね。
ただ一緒にいるだけで安心する。
自然に笑顔が零れてくる。
同じ期間を共有するだけで嬉しくなれる。
漠然とした表現しか出来ないけどさ、でも人を愛おしむ気持ちなんて結局のところ、そんな曖昧な感覚でしか示す事が出来ないんだよ。
そして君が俺を慕い続けていた理由は、そんな理屈の無い心の融和を感じられていたからに他ならないんだよね。
自分で言うのもおかしいけど、ルックスや身長は人並みよりは少し良いはず。
でもさ、逆に言えば俺にはそれだけしかないんだよね。いや、それどころか性格なんかは最悪だったはずなんだ。
俺の本質は芯からの根暗であって、協調性なんて微塵にも持ち合わせていない、ちっぽけな男なんだからね。それなのに君は俺の事を心から想い、慕ってくれていた。
才能が無いのに黙々と練習する俺の姿に共感したから。
彼女の命を懸命に救った姿勢に胸を打たれたから。
グラウンドの休憩所でお互いの心を曝け出したから。
かつての俺は、それらの理由で君が好意を寄せてくれているんだと思っていた。いや、そう信じて疑わなかったんだ。
だけど本当にそれだけが君の胸の内に秘めた俺への想いだったのだろうか?
当時から俺は時折そんな事を考えていたんだよ。
君に直接聞けば良かったのかも知れないね。でも俺にはそれが聞けなかったんだ。
成り行き任せの冗談としてではなく、本気で向き合って君の心意を受け入れる事が出来なかったんだよ。
その理由は至って簡単なんだよね。
君の本当の気持ちを知ってしまうのが怖かったから。もしそれを知ってしまったなら、いつの日か俺は君を裏切ってしまうのではないかって思えてしまったから。
きっと当時の俺はまだ子供だったんだろう。だから君の気持ちを自分が思っている以上に重く受け止めてしまったんだろう。
言い換えるとするならば、君の想いをどこか面倒だと感じていたんだよね。
結局のところ、自分が一番なだけだったんだよ、俺は。
だけど君が俺を想う気持ちは、そんな難しいものじゃなかったんだよね。
ただ一緒にいるだけで安心する。
自然に笑顔が零れてくる。
同じ期間を共有するだけで嬉しくなれる。
漠然とした表現しか出来ないけどさ、でも人を愛おしむ気持ちなんて結局のところ、そんな曖昧な感覚でしか示す事が出来ないんだよ。
そして君が俺を慕い続けていた理由は、そんな理屈の無い心の融和を感じられていたからに他ならないんだよね。