ディスペア
(8)~女の子と彼の手は温かい~
ほんとにしたんだ…………キス。
え、でもなんで急に……?
「だって、麻彩が起きないから。」
それが理由?
なんか、めっちゃはずいんだけど。
おっとり男子、恐るべし!!
「あの~、そろそろ降りて頂けますか?」
「え?」
そこにいたのは電車の運転手だった。
「わ……ごめんなさいっ!!行こっ!」
そう言うと私は、そそくさと電車から降りた。
優人も私のあとに付いてきた。
改札を出ると、穏やかな海が広がっていた。
息が詰まるほど綺麗だ…………
思わず足を止める。
「わっ!!」
後ろを付いてきていた優人が私にぶつかる。
私は振り返った。
目の前に優人がいた。
私は、さっきのキスを思い出す。
二人同時に顔をそむけた。
あ…………同じだ。
優人の顔も赤くなってる。
「あははっ!!」
私は思わず笑った。
すると、優人がビックリした顔で呟いた。
「怒ってた訳じゃないんだ……。」
え?なんで怒ってるって思ったの?
あ………はや歩きしたからかな?
照れてただけなのにな~。
麻彩はその事を伝えようとしてやめた。
だって優人が笑っていたから。
まあ、いいかって思えたから。
「喉渇いたね~。」
そう言って私たちは、スーパーを探しだした。
とりあえず大通りに出る。
そして、信号待ちをしているときだった。
赤になった信号に女の子が飛び出してきた。
女の子の目の前には赤いボールが転がっていた。
「危ないっ!!」
気がつくと私は走っていた。
女の子に向かって。
キキーーーーッ
「………………っ」
「麻彩っ!!」
優人が走ってくる。
女の子は?女の子は無事なの?
私は抱き抱えている温かい温もりに目を向ける。
女の子は声も出ないほどびっくりしていたが怪我はしていなかった。
…………ホッ
「大丈夫!?」
「…………うん。」
女の子はそう答えた。
私は起き上がるために肘をついた。
「っ痛!」
見ると、肘から先から血で滲んでいた。
「え、擦りむいてるじゃん!今手当てするから!!」
そう言って、優人は手当てを始めた。
ホント、なんでも持ってきてるなぁ。
そんなことを思いながら私は、その優しく触れる温かい手を見つめていた。
え、でもなんで急に……?
「だって、麻彩が起きないから。」
それが理由?
なんか、めっちゃはずいんだけど。
おっとり男子、恐るべし!!
「あの~、そろそろ降りて頂けますか?」
「え?」
そこにいたのは電車の運転手だった。
「わ……ごめんなさいっ!!行こっ!」
そう言うと私は、そそくさと電車から降りた。
優人も私のあとに付いてきた。
改札を出ると、穏やかな海が広がっていた。
息が詰まるほど綺麗だ…………
思わず足を止める。
「わっ!!」
後ろを付いてきていた優人が私にぶつかる。
私は振り返った。
目の前に優人がいた。
私は、さっきのキスを思い出す。
二人同時に顔をそむけた。
あ…………同じだ。
優人の顔も赤くなってる。
「あははっ!!」
私は思わず笑った。
すると、優人がビックリした顔で呟いた。
「怒ってた訳じゃないんだ……。」
え?なんで怒ってるって思ったの?
あ………はや歩きしたからかな?
照れてただけなのにな~。
麻彩はその事を伝えようとしてやめた。
だって優人が笑っていたから。
まあ、いいかって思えたから。
「喉渇いたね~。」
そう言って私たちは、スーパーを探しだした。
とりあえず大通りに出る。
そして、信号待ちをしているときだった。
赤になった信号に女の子が飛び出してきた。
女の子の目の前には赤いボールが転がっていた。
「危ないっ!!」
気がつくと私は走っていた。
女の子に向かって。
キキーーーーッ
「………………っ」
「麻彩っ!!」
優人が走ってくる。
女の子は?女の子は無事なの?
私は抱き抱えている温かい温もりに目を向ける。
女の子は声も出ないほどびっくりしていたが怪我はしていなかった。
…………ホッ
「大丈夫!?」
「…………うん。」
女の子はそう答えた。
私は起き上がるために肘をついた。
「っ痛!」
見ると、肘から先から血で滲んでいた。
「え、擦りむいてるじゃん!今手当てするから!!」
そう言って、優人は手当てを始めた。
ホント、なんでも持ってきてるなぁ。
そんなことを思いながら私は、その優しく触れる温かい手を見つめていた。