よく晴れた空に
「福… 久しぶりだな」

「そうね」


ジリジリと兄へ近づこうとするお福を

止めた



「新選組…
それは、お前の大事なものか?」


「私達は、ただ情報を共有する為
利用し合っているだけよ」



お福が、俺たちを庇おうとしていることは
兄にもバレバレだろう



「お前の大事なものは… 
すべて… 壊してやる…」


「やはり……
変わってしまったのね…」




お福が、刀を構えた



「もう、兄とは思わない」

「随分前にお前は、俺の妹じゃない」




ヒラリと背を向け


去ろうとする兄を追おうとした


お福が、刀を落とす



「兄妹じゃないなら…
なんで!!私から逃げるの!!」


チラッと振り返って、お福の様子を見て


去って行った



「おい!!大丈夫か?」



俺の手の中で、お福がぐったりと

意識を失う




「福!!どうした!?福!!」










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