よく晴れた空に
「……い!!しっかりしろ!!」


土方さんの大きな声がする



どうやら、繕い物が終わってから

倒れたらしい



「……すみません」


「お福!!おどかすなよ!!」
 

「ふふっ 大きな声…」


「総司!!俺の部屋に布団を頼む!!」


なんだか、頭がクラクラして

喋るのも辛い



土方さんの部屋に連れて行かれ

布団に寝かされる


沖田さんがテキパキと、動いてくれた



「沖田さん…ありがとうございます」

「いいえ!しっかり治る前に、無理したら
こうなるんだよ~!!」


沖田さんが私の鼻をつまむ



「治ったと思ったのになぁ~」



「喋ってねぇで、大人しく寝てろ!!」



土方さんに怒られた


沖田さんは、のん気に



「やですね~ 
心配でたまらないからってねぇ~」



と、私に言ってくる




「やっぱり、違う医者に見せよう」




「大丈夫ですよ
生まれつき、体が弱いんです
食も細いですし…」


「なんか、食べたいものは?」


「土方さんのおにぎり」


「え!?あんなしょっぱいの?」


「ふふふっ あれが美味しいんです」


「総司 看ててくれ 握ってくる」


「はぁーい」






土方さんが部屋を出た後



「気をつかってるの?」

「え?」

「おにぎりですよ」

「??いえ?? 
そんなにしょっぱいですか?
私…美味しいと思ってますが?」

「本当に!?
梅干し並みですよ?」

「梅干し好きです」

「梅干しは、わかるけど
おにぎりのしょっぱいのは、やだな」

「沖田さんは、甘味好きですもんね?」

「まあね」







土方さんのおにぎりは

今日も良い塩加減だった


「美味しい」



食べてる間

沖田さんの視線が気になったけど

美味しいものを食べると

自然と笑みがこぼれる




「信じられない…」




沖田さんが、引き気味だった








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