よく晴れた空に
治療を終え


夕餉の支度をした



食器の片づけをしていると




「手伝いましょう」




山南さんが来てくれた



「疲れたでしょう」


「すみません」


「謝ることはない
全員を治療してたら、君が倒れてしまう」



山南さんの気づかいに感謝しつつ

申し訳なくてたまらなかった




山南さんのおかげで、随分早く片づいた




「ゆっくりお休み」

「はい!ありがとうございます!」







翌日







「なんで治療してくれねぇんだ?」

「あれは、大した怪我じゃないだろ!?」

「治してやりゃいいだろ!?」

「これくらいの怪我で、お福ちゃんを
使ったら、大変だ!!」

「ケチケチすんなよ!!」

「お福ちゃんの気持ちも考えなさい!」








山南さんが、幹部の皆と私のせいで

揉めている





「治します…皆…治しますから…」


「お福ちゃん!!」


精一杯、笑ってみせた



「お役に立てるなら…」











利用されてもいい…












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