よく晴れた空に
「福… いいか?」


夕餉の片づけが終わった頃

土方さんが炊事場に来た


「お茶ですか?…すぐに…」


視界が揺らいだ


土方さんに、受け止められ


また、心配をかけてしまうと思い


どうにか持ちこたえる


「すみません!蹌踉けちゃって!!」


「治療するの嫌か?」


やはり優しい土方さんは、今朝の会議での

私を気に掛けてくれた


「嫌じゃないんですよ!本当に!」


「山南さんには、言えて
俺には、言えないのか?恋仲なのに…」


「本当に、嫌じゃないんです
ただ… 怖いだけです」


「なにが?」



利用されて…嫌われて…捨てられること


お願い


1年間でいい


ここで、皆との楽しい思い出を


作らせて…




「なんでしょうね?」






とぼけることにした



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