よく晴れた空に
長らく話をしてなかった


ちゃんと聞いてやってれば


治療が嫌じゃなくて、体の負担になると


言って欲しかった




「もう、力使うの禁止だ」


「ええーどうして!?」


予想外に、困った顔をしていた



「こうなるからだ!!」


「倒れないようにしますから!!」


「なんで、力をたくさん使った?」


「皆が怪我するからでしょ?」


「…そりゃあそうだな」


「感謝されると、役に立てたと実感して
嬉しかったんです」


「福が倒れて、俺は生きた心地がしなかった!…怖かった
福が、死ぬかと思って…」


「生きてますよ!」



兄のおかげでな…



「福…」



口づけをした



口づけも久しぶりだ





福が照れて、可愛い


「もう、どこにも行くな」



ジタバタして、可愛い


「俺から、離れるな」


俺は、福を抱いた



「ずっと、そばにいてくれ」















なぜ、返事をしてくれなかったのか


それを知るのは、まだ先のこと







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