よく晴れた空に

隠し事と誤解

私と伊東さんの戦いで、幹部会議が
お開きになった



「土方君と話しなさい」


山南さんが、言ってくれて

今、２人きり



どんよりと重たい空気なのは


私が土方さんを傷つけたから




「土方さん…　私、勢いとかじゃなくて
ずっと、言えなくて…
私…」


「悪かった」


「え？」


「無理させてたなんてな……」


「……」


「帰って来てくれたとき…
もう二度と離れたくないと思った
恋仲として、このまま夫婦になって
ずっと、一緒にいると思ってたよ」




兄が言っていた


〝普通の暮らしなど望むな
お前は、俺のようになってはならん〟



こんなふうに、土方さんを傷つけて

やっと、本当の意味を知る



兄は、力を利用されない、普通の生活に

憧れ、私を傷つけ

帰る場所を無くした


土方さんは、私が無理して恋仲でいたと

勘違いしている




だけど、私は

ずっとここに、いられない

帰る場所があるから…


「ごめんなさい」



誤解を解くことも、期限があることも


私は、語ることを辞めた




「嫌いになって下さい…」






頭を下げ、部屋を出た