よく晴れた空に

握り飯と福

「しょっぺぇ……」


久しぶりに握り飯を作って、食おうと思ったが、食えねぇ


慶も福も、旨いと言っていたが



食えたもんじゃねぇ







ふぅっ とお茶を飲み


左手の握り飯を見る







福…









会いたくてたまらなくなった





茶碗に握り飯を入れ、白湯をかけた


「しょっぺぇ…」



それでも、食うのに苦労した


食の細い福は、巨大な握り飯をペロリと

食ってくれたよな



幸せそうに、笑ってたよな












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