よく晴れた空に
彼らが、ただ雨宿りをしているのではなく

斜向かいの旅籠を見張っていると

わかった



チラリとその視線の先を見る






そこにいたのは





兄の仲間だった







横に並ぶ2人が、私の敵でないことに

安堵した





私は、2人から目を離せなかった


こんなに真っ直ぐな目




初めて見たんだもの






「私、福と申します」






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