みかんいろ
「オレンジ、何キョロキョロしてるんだ?」
関所のとこでわたしはどうやらキョロキョロしていたらしい。でも、テルが近くにいないか見たかったのだ。昨日も王宮でおそうじしていたのだがテルはこなかたった。
「う・・・ううんなんでもないよ。ところで次はどこの国に行くの?」
おやっさんの話をぼぉっと聞いていたからあんまり憶えていない・・・。

・・・昨日・・・

「テル・・・。テイル王子だったんだ・・・。」
掃除しながら、昨日見えてしまったことを思い出していた。テルの過去に何があったのかも瞬時に見えてしまったことを少し後悔してる。
「でも、テルはテルだもんなぁ。てか、あのやんちゃが王子だったこと自体私にとってびっくりだよ・・・。」
ブツブツいいながらやっていると近くにいたメイドたちが話していたのが聞こえてきました。
「テイル王子風邪を引いてしまったらしくて・・・高熱らしいわよ。」
と。さすがに、そんな熱だと来れないよなぁ・・・と、思っていた。なのに・・・あいつは、期待を裏切る。熱の中来たのだ。
「て・・・テイル王子寝てなくてはいけませんよ!」
そう言うと、テルが怒鳴った。
「お前までテイル王子テイル王子言うな!!約束・・・した・・・だろ・・・」
みかんは、ハッとしてテルを見た。悲しそうな瞳・・・。
「テル・・・テルの過去見えちゃった・・・ははは・・・見えたくなかった・・・や。」
わたしはうつむいた。そしたらテルが言った。
「ああ。俺の過去か?」
「うん・・・」
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