みかんいろ
「やっと、厄介払いできた・・・」
深々とため息をつくと、みかんは川をぼぉっと眺めていた。
「どうするか・・・。」
その時・・・
「オレンジ。」
という声が聞こえた。みかんはばっと振り返るが、視界に入るのは街の人々だけ。
「おやっさん・・・?」

おやっさんは俺が五歳になる手前で言った。
「オレンジ、何が何でも10歳になったら逃げろ。それから・・・リア国へ旅をしてでも帰れ。わかったな?」
その頃の俺はとても素直だったからおやっさんの話にしっかりと耳を傾け素直に従った。そしたらおやっさんは大きな手を俺の頭に乗っけてグリグリと髪をぐちゃぐちゃにした。

そっと髪を触る。今はオレンジ色の髪の毛をなびかしている。一番嫌いで一番思い出があるこの髪の毛を。
「そういやあ、おやっさん変なこと言ってたなぁ・・・」

「お前は俺らの国の王女様だもんな。」

「意味わかんねーよおやっさん・・・俺はただの旅人なのにな・・・」

再び思考の奥へ潜り込んでしまった・・・
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