みかんいろ
これはテルのお話。

俺は強くならなくては。俺の味方は誰もいないんだから。去年の夏に母上がいなくなってしまって俺は一人ぼっちだ。兄上は遠い国にお出かけしているし、父上は国を収めなくてはいけない。従者もめんどくさいから付けてないし。
ある時メイドたちが噂をしていた。変な女のお話。俺と同い年の女が王宮で掃除の手伝いをしに来ているって。だから最初はただ興味半分で行ったらオレンジ色の髪の毛をした女でびっくりした。でも、あの色は、嫌いじゃない。だけど最初のうちは話しかけれなかった。でも、仲良くなれた。ただみかんは身長がでかすぎるんだ。俺をちびちび言うんだ。
「いや、だからちびちび言ってないから。」
みかんが、こういうけど、さいしょ
「ち、ちっちゃ!!」
と言ったくせに・・・
でも、あいつと話しながら俺も掃除を手伝ったのは結構楽しかった。でもその後毎回乳母に
「なんで、毎回こんなに汚してくるのですか!」
と、怒られていたが・・・まあ、みかんと話せて楽しかったのだ。が、みかんは今日言った。
「・・・明後日この国から出るの・・・。」
と。あいつだけは、俺の前からいなくならないとずっと思っていた。だから、俺はあいつから逃げてしまった・・・
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