世界で一番、愛してる。
悠は大股で里葉に近づくと

ギュッと抱きしめた。

「なんでひとりで泣くんだよ」

「ごめんなさい…」

「誰が誰から離れていくって?」

「…………………」

「それにこのメガネも。ダテメガネだし…」

「ち、ちが!これはほんとに…!」

「ううん。ダテメガネだよね?
だって、このメガネ外したら今大ブレイク中の神崎咲姫(カンザキサキ)じゃん」

「…」

「どうして隠すの?」

「…」

「騒がれるの嫌い?」

「…」

「俺には違う理由がある気がするな」

「何にもわからないくせに…」

「勝手にわかったような顔するなって?」

「うん…私たち神崎家がどれだけ苦労してるか知らないのに…」

「そうだな。何1つ知らねーわな。
だって、里葉は自分のことなんも話してくんねーんだもん」

「話したらみんな私のこと嫌いになる。
だから誰も信用したくなかったのに…
どうして私が一生懸命築いた壁をすぐに壊すの?」

「里葉を初めて見た時さ、もしかして神崎咲姫何じゃないかなって思った。」

「え…?」

「面影がって話ね笑
分かってるよって叫んだ声が少し震えてて、あぁこの子もしかしてすごい思いつめてるんじゃないかなって思った」
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