世界で一番、愛してる。
里葉side

帰り道

里葉は溢れ出てくる涙を拭うことができなかった。

頭の中をぐるぐると回るのは

悠の笑顔。

美優の心配そうな顔。

尚央くんの美優を愛おしそうに見つめる顔。

そして、3人の辛そうに顔を歪めた瞬間…

家に帰ると、大きなボストンバッグを持って、遺影の前で座った

「お父さん、お母さん。
夏樹お兄ちゃん…っ!
私、これからアメリカに旅立つことになったよ…っ!モデルとして…女優として…1人の女性として…っ!
ひとり立ちできるようになるまで行ってくるね…っ」

「里葉。」

「春樹お兄ちゃん…柊希…楓雪…華夏!」

「お姉ちゃん。行ってらっしゃい。」

「里葉!行ってこい!」

「姉ちゃん。俺達ここで待ってるよ。
このままの変わらない笑顔でさ!」

「ねーね、行ってらっちゃい!」

「楓雪…春樹お兄ちゃん…!
柊希…!華夏!!」


「行ってきます!!!!」

「「「行ってらっしゃい!」」」

「うん!」

私は契約の3年間は悠、美優、尚央くんとは連絡を取らない、会わないと心に決め、アメリカへ向かうため空港に向かった。


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