世界で一番、愛してる。
「で?」

「は、はい…」

「この馬鹿野郎!!!!」

「おーおー。悠こえーなー笑」

「ひぃ…っ」

「どれだけ心配したと思ってんだよ!!!!!!!!」

「ごめんなさい…」

「悠に叫ばせるほど心配させたの、里葉自覚してる?」

「うん…」

「すげーショックだったぞ?」

「ごめん…」

「里葉は馬鹿だからさ、私たちが里葉のこと迷惑な存在と思ってない?」

「…っ」

「やっぱり…」

「あのな、俺ら…悠も美優も含めてみんなは里葉が大好きなんだよ」

「だから、いきなり嫌いって言われて傷つくに決まってるじゃん?」

「ごめんなさい…」

「うーん、俺らは謝って欲しいんじゃなくて…あぁもう!里葉はもっと思ってること言っていいよ!以上!」

「あ、悠が照れてる」

「うっさい」

「はは笑まぁ、そういうことだ。
美優も悠も心配してたんだぞ?
でも元気そうで良かったよ笑
アメリカ、慣れたか?」

「うん!もうだいぶ慣れた笑」

「4月には戻ってこれるの?」

「…」

「里葉?」

「帰ってこれないの?」

「あ、いや?全然そ、んなことな、ないよ!」

「タジタジだけど?」

「気のせい!」

「そうか?また東京で待ってるな。
俺ら高校みんな一緒だから!笑」

「4人で同じ時を過ごしたい…よ」

「美優いいこと言うな笑」

「でしょ?」

里葉は3人が話をするのを笑って聞くことで精一杯だった。

うまく笑えてる?

泣きそうになってない?

自分で決めた道でしょ?

大丈夫。このまま笑顔でさよならしたらバレないから。

大丈夫。大丈夫…

「里葉。」

「悠…どうした?」

「外で話がしたい」

「いいけど…?」

「美優。尚央。わりぃ。こいつちょっと借りてくわ」

「「どーぞー」」


外に出て

「泣きたい時に泣いたらいいんじゃないの?里葉。」

「え?」

「笑えてるつもりだったかもだけど、いや。正確には女優っていう職業で鍛えられた自分の感情を消すっていうことで笑えてたけど。俺を騙せると思うなよ?」

「そんな…っ…はず…っない…じゃないっ…!」

「今泣きそうなのはなんで?」

そんな優しい声で問いかけないで

「何を抱えてる?里葉」

もう、ほっといて…

「里葉。」

ダメだよ。決めた道でしょう?

「も…っ」

「どうした?」

「高校生活は…ここで過ごすかもしれない…」

「…え…?」

「私、今映画の主演依頼がきてて…
それ、日本人監督さんで全員日本人キャストさんなの…
今まで、外国人キャストさんいたから断ってたけど…でも
監督さんは私がそのことを言ったら全員日本人キャストさんに変えようって言ってくれて。」

「そっか…その映画って、日本でも公開される?」

「日本限定で公開されるよ」

「そっか…里葉。」

「ん?」

「顔あげて?」

「やだ…」

「いいから。」

顔をあげるた里葉の顔は涙が溢れそうだった

「里葉。映画、楽しみにしてるな!」

「え…?」

「映画、やりたいんじゃないの?」

「私は…やりたい…っ!」

「うん。」

「自分で…掴めた夢…っ!最期まで…諦めたくないよ…っ!」

「うん…っ。里葉。頑張れ。」

「うん…!」

「俺は何でも里葉を待ち続ける。」

「…っ」

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