恋する上司は同級生!?
第1章 tamatiOffice
・・・なんで、こんなことになったんだろう・・・。


私の名前は湯川チキ。

たったこの前まではピッチピチの大学生で、入社試験をズケズケと進んできたところ。

まあ、大体10社くらい試験を受けたけど、見事にほとんど落ち・・・。


残ったのは、地元の、ムダにお洒落な会社だけだった。

仕方なく、そこに入社することを決めたのだけれど、なんと、女子社員が1人もいないのだ!

もうい やだ、今すぐにでもやめたいくらいだようっ。



「はあ・・・。お洒落なオフィスで女子社員と盛り上がって、そして秘密の恋に落ちるなんて、夢のまた夢ね・・・。」


初めての仕事がひと段落つき、机に突っ伏してそんなことを考えていると、パン、という軽い音と共に、頭に小さな衝撃が走った。

「こら、新社員。まだまだ仕事はあるぞ、リラックスタイムは家に帰ってからだ!」

整った髪の毛。薄い唇。私の担当上司、三上司だ。

「ふぁい・・・。」

私はブゥ、と唇を尖らせた。

勿論、こんなイケメン上司の元で、働かせてもらえるなんて、すんごく・・・嬉しいんだけど・・・。

「なんだ?なんか不満でもあるのか?」

ぎ、ぎくっ!この人は透視能力でもあるんですか!?

「べ、べつに、そんなのありませんけど・・・。はっ、早く資料くださいよ!そして早く仕事に戻ってくださいよぉ!」


司・・・先輩は、はあ〜と大きくため息をつくと、はいこれ資料な、と、冷たく言って去っていった。


「はあ〜、もっと優しい上司が良かったよう!司先輩の馬鹿!」

怒鳴るように言ったので、司先輩の耳に届いたのであろう、なんか言ったか?と返ってきた。

もうぅ!こんな会社、もうやだよぅ!!!!
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