恋する上司は同級生!?
ついに、その日になってしまった・・・。

「おはよう、幸歩」

駅前のアウトレットで幸歩と待ち合わせた私は、早速会場へと向かった。

会場はアウトレット内にあるらしく、三階を全て使って行うらしい。

合コンは、月に1度、行っているという。

先輩を諦めることは惜しいけれど、私も前に踏み出さなければいけない。

「よし!行こう、幸歩!」

私は自ら幸歩の手を引っ張って、会場へと進んだ。

「はいはーい♥それでは、これよりトークタイムと致します。

お好きな男性、あるいは女性と、おひとり様五分ずつ、お話下さいませ♥

あ!でも、同性でお話するのは、ダメですよ?それでは、どうぞっ!」

ピー、と、けたたましい音が鳴り響く。

えっ、ヤバイ・・・。

誰としゃべればいいの?

あっ、あそこの人も、ウロウロしてる!声かけてみよう!

「あのっ・・・」

「っ・・・」

・・・え?先輩!?

「なんで、先輩いるんですか?」

「なんでって・・・。ちょ、ちょっと来い!」


しばらく、走っていた。当の昔に会場は出たはずだ。

「い、痛いです、先輩!」

「わ、悪ぃ・・・。お前なぁ」

先輩は私のおデコをコツん、とつついた。

「馬鹿!変なヤツがいたらどうするんだ!」

え?

「っ・・・。幸歩の野郎が、お前が合コン参加するっていうから、つっ、付けて来たんだよっ!キモイだろ!?」

えっ!?ちょ、幸歩ぉ~!

「・・・ぷっ。」

「ああっ!?」

私のこと、嫌いなのかと・・・。やだ、嬉しい。私は笑いながら、そっと呟いた。

「・・・いますよ、変な人。先輩です!」
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