恋する上司は同級生!?
第4章 magiclove
*チキside*

ふぅ。今日も私、お疲れ様。

今日は、すごく頑張って、社長から見事お褒めの言葉を頂いた。

最近頑張ってるじゃないか、この調子で頑張れ、と。

それが凄く嬉しくて、思い出すとついつい顔がニヤケてしまう。

つくづく、仕事人間になったなぁ、とおもう。

前は、仕事より司先輩とイチャイチャしてたい、なんてマヌケなこと思ってたもんなぁ・・・。

あ、そうだ。司先輩は、会社を辞めたんだから、もう先輩じゃないよね?

・・・司。司でいいよね?・・・もう呼ぶこともないだろうけど。

かなり長く瞑想をしていたようで、気付くと家の前だった。


「ただいまー」

返ってこない返事を期待して、ドアを開ける。・・・勿論、返事はない。

じわ・・・。

もうっ!何で涙が出るの!?仕事を通して、前よりはメンタル強くなったと思うんだけどなぁ。

それでも、涙は止まらなくって。

今私、誰のこと考えてる?自問自答すると、頭には司のシルエットが浮かんできた。

司はもう明奈さんのものなんだから!そう思って、ブンブンと頭を振る。

・・・こんな時、司なら、『チキ』と、あの優しい笑顔で笑いかけてくれるのだろうか。

仕事にしか行き場がなくなって崩れそうな私を、太くてたくましい腕で支えてくれるのだろうか。

寂しさで溢れる涙を、滑らかな指先で拭き取ってくれるのだろうか。

駄目だ・・・。

司のことを思うと、止まらなくなっちゃう。
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