恋する上司は同級生!?
パタンとソファに倒れる。少しだけかび臭い匂いがした。

「明日は有休頂いたんだよなぁ」

私はソファから起き上がると、疲れて重い身体を引きずるようにして移動した。

ガラスで出来た机からスマホを手に取る。

弾みで机からいくつかの書類が落ちた。

バサバサッ

「いたたっ・・・!」

書類に押し潰されそうになって、尻餅をつく。

スマホが手から滑り落ち、私の頭にクリーンヒットした。

「っいたっ・・・!・・・ん?」

目に止まった書類と資料。

そこには、こんな文字が打ち込まれていた。

『三上司 退社の理由について』

そうだ。

司の退社の理由がいまいちよく分からなくて、社長に頼み込んでコピーさせてもらったんだった。

そこには、

『結婚を前提にお付き合いさせて貰っている女性がおりまして、彼女から転職を考えたらどうだ、という提案を受けたため。』


と、筆まめな人である司の字でキッチリとそう記されてあった。

「結婚を前提に・・・か。」

はぁ、と思わず溜息が出る。

転職って、何になるんだろ?

司は様々なジャンルに富んでるから、なんでも出来ちゃうんだろうなぁ。

そこで、また新しい恋を始めるのかな?いや、明奈さんがいるか。

私は書類やテキストをテキトーに揃えて机の上に乗せた。

・・・あれ。最近働きすぎたかな。急に・・・睡魔が・・・。


つぎの日。

朝からゴロゴロしていた私は、アイロン台の布が剥がれていることを発見した。

アイロンはほぼ毎日かけるし、この黄ばんだ布も、そろそろ替えたいしなぁ。

お財布を確認すると、まぁまぁ入っていた。

ボーナスが入ったから、余裕がある。
< 28 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop