恋する上司は同級生!?
ようやく家につき、すぐさま氷枕を用意する。

流石にかび臭いソファはダメだと思い、ベッドへ寝かせる。

ひんやりとした氷枕の感触と、司の汗ばんだ髪の毛に挟まれ、ゾクリとした。

「・・・ん。ここ、どこ」

「あ、起きたぁ・・・死んだかと思った」

司は私に気づいたようだ。

あはっ、随分マヌケな顔をしているなぁ。

「え、ち、チキ・・・?」

「そうだけど?・・・なに、目覚めたなら明奈さん家に帰りなよ!」

かぁっと赤くなった顔を隠すように、なるべく大きな声で言った。

すると意外にも、司は悲しそうな顔をして・・・。


「明奈とは、もう別れたんだ。」

そう言った。

しばらく意味が分からなかった。

我にかえり、私の首筋にはつぅっと一筋汗がたれた。

別れたって・・・どういうこと?

「明奈・・・あそこまで気がコロコロ変わるやつだとは思わなかったよ。ほんとアイツ、幻滅したんだよなー」

・・・こいつ。分かったようなこと言いやがって。ピキっと血管が鳴った。

「・・・馬鹿じゃないの?」

そう、私は言った。何故か、目には涙が浮かんできた。

「なんでも女のせいにして!

私が好きな癖に明奈さんを選んだんでしょう!?

だったら最後まで愛してやりなさいよ!

そもそも、司がヘタレなとこ見せたから逃げられたんじゃないの?この、馬鹿!」

「ああっ?俺を司・・・だと?」

「何よ!もう会社辞めたじゃん!

先輩でも何でもないし!こんな時だけ先輩ズラしないでよ!馬鹿じゃないの!?」

言い出したら止まらなかった。
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