恋する上司は同級生!?
「っ・・・。チキ、お前どうしちゃったん・・・」

「あんたこそ、気安く呼ばないで!なに、明奈さんの愚痴を吐いて、私に慰めてもらいたかったの?甘いのよっ!」


大粒の涙をボロボロ流しながら髪を振り乱す。司なんて、大ッ嫌い。

「でっ、出てってよ・・・。」

「チキ、好きだよ。明奈より、全然好きだよ。前から、欲しかった・・・」

「今頃?そんな甘い言葉綴って、詩集でも書くつもり?男版小野小町にでもなったつもり!?」


ラップのように言葉をまくし立てる。

「ちがう。好きなんだ、ただ純粋に。お前もそうなんだろ?一緒にいると、すごく落ち着く。だから・・・」


こいつ、なんも分かってない・・・。

「好き好きうるさいっ!」

ギョッとしている司。ほんとに何も分かってないんだ・・・?

「私はっ・・・、確かに司が好きだよっ・・・?

けど、そういうっふうに・・・別れたついでっみたいな感じでっ・・・付き合いたくないのっ・・・明奈さんみたいにっなりたくっ・・・ないのっ・・・!」

「明奈・・・?」

「そうなんでしょっ?私への腹いせで、明奈さんと、付き合ったんでしょうっ?」


我ながら、馬鹿なことを言っていると思う。

こんなに、司は戸惑っているのに。

いや、戸惑っていいんだ。分かってもらいたいから。

「違うっ・・・!そんなんじゃ、ねえっ!勝手に決めつけんじゃねえっ・・・!」

「なら!結婚まで考えてた女性と、そんなにすぐ別れるわけないでしょ!?

・・・明奈さんだって、分かったんだよ・・・司が自分のこと心から愛してないって。

だけど、明奈さんは、司を悪者にしたくなくて、わざと自分が悪女になるように言ったんだよっ!

・・・分かってあげてよ、そんくらい。」
< 31 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop