秘薬
橘 由紀子 5歳

この頃は当たり前だがあまり記憶がない

しかし、忘れたくても忘れられないことが一つだけある

私は、1年間ほど恋をしていた人がいる

櫻井亮太くん

同い年だが、スポーツ万能で優しいという王道のモテる男の子である

私はその人にラブレターを書いた

今思えば、何の取り柄もない私が王道のモテ男子に告るなど、無謀でしかなかったのだ

だが、まだ普通にふられるなら良い亮太くんはこう言った

「お前とかに好かれるとか、本当迷惑だから」

私はその時、体全体が熱くなったのを覚えている

それは怒りからだろうか、それともドキドキからだろうか

それはまだわかっていない

しかし、これが私の最初で最後の最悪な初恋である
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